日本のサラリーマンの税金負担額は世界一
次に、日本のサラリーマンがどのくらい税金と社会保険料を取られているのかをご説明しましょう。
驚いてはいけませんよ。
実は、日本の平均的なサラリーマンの税金、社会保険料の負担率は、
実質的には世界一高いのです。
名目的には、日本国民の税金と社会保険料の負担率はおおむね40%なので、
スウェーデンやイギリス、ドイツなどよりは低くなっています。
でも日本の場合は、中流層以下の人たちに負担が非常に厚くかかるようなシステムになっています。
だいたい収入の半分はなんらかの形で税金、もしくは税金もどきで取られてしまっているのです。
低所得者層にとっての負担率は、日本が世界で一番高いのです。
しかも、ヨーロッパ諸国やスウェーデンなどの北欧は、
日本よりもはるかに社会保険が充実しています。
高い税金でも、それなりの見返りがあるのです。
しかし日本の場合、社会保障に使われる税金の割合は、
先進国の中でも下から数えたほうが早いくらい低いのです。
だから、一般的なサラリーマンにとって、実質的な税金、社会保険料負担率は、
世界一高いといえるのです。
収入の40%以上を、税金や社会保険料で取られているというのがどんなことか、
想像してみてください。
本当は、あなたの収入は今の2倍近くある、ということなのです。
でも、そのうち半分は公に削り取られているのです。
そして、さらに腹の立つことがあります。
日本の一般的なサラリーマンは世界一高い税率を課されていながら、
高額所得者は非常に低い税率、社会保険料しか課されていません。
たとえば、社会保険料は、年収1200万円くらいで頭打ちになり、
それ以上年収がある人は、負担率はだんだん下がってきます。
たとえば年収1億円の人の社会保険料の負担率は、
1%程度にしかならないのです。
1%なんて、屁のようなものでしょう?
一般的なサラリーマンは、社会保険料の高さに苦しんでいるというのが現状です。
どんなに所得の低いサラリーマンでも、
15%程度の社会保険料を払っているのです。
税金や社会保険料というものは、人々の生活の様々なリスクに備えるために、
各人がその収入に応じて負担し、
社会の安寧を図る、という目的があるはずです。
しかし日本の場合は、高額所得者は応分の負担から逃れているのです。
腹が立ちませんか?
「社会保険はやばい」とか、「年金は破綻する」などといわれていますが、
実際は、とらなくてはならないところ(金持ち)からは取っていないのです。
金持ちというのは、自分の力だけで金持ちになったわけではなく、
今の社会が維持されているからこそ、
金持ちになれたはずです。
金持ちは社会の恩恵をだれよりも受けているのだから、
社会に対してだれよりも還元しなければならないはずなのです。
にもかかわらず金持ちは、為政者にうあく働きかけて、
まっとうな税や社会保険料の負担を逃れているのです。
このまま、どんどん金持ちに都合のいい国になっていってしまうと、
日本はすごく嫌な国になるはずです。
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